本

『40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭』

ホンとの本

『40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭』
五味常明監修
旬報社
\1,470
2004.3

 他人事ではない。自分の臭いというのは自分では感じにくいものだ。かといって、それをなくすというのも難しい。そもそも生き物は臭いを有っているのだから、それをなくす必要などないと言ってしまえばそれまでである。妙な清潔志向とやらは、「生きる力」に反するこだわりだと評価することは簡単なのであるが、そうとばかりも言っていられないのが現状である。
 たんなるハウツーでなく、そもそもそうした臭いが自然のものであることを踏まえ、メカニズムの医学的な説明が分かりやすく続く。概ね、栄養や睡眠などの健康状態に左右されることが語られている点、読んでいて安心できる。また、口臭については虫歯などの原因が指摘される。さらに、こうした問題の治療や対策についても、特効薬的なものではないにしろ、実際的に堅実なものが次々と挙げられていくので、信頼していいかなという気持ちになっていく。
 緑茶の優れている点はコマーシャル的にも用いられているが、それがきちんと理論で展開されているところに、この本の良さがある。そして構造の説明に留まらず、具体的な対処法や予防法なども懇切丁寧に記されている。一項目2ページという限定が、逆にコンパクトに要点を伝えているようだ。
 薄手の本で、あまり期待はしていなかったが、これは一つの健康のための重要な土台作りとしても、価値ある一冊であるような気がする。




Takapan
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