本

『よくわかる広報マニュアル』

ホンとの本

『よくわかる広報マニュアル』
藤江俊彦
PHP研究所
\1260
1999.1

 広報というと、広告をつくる係のように思われているかもしれない。だが、社外へ向けての広告というのは、広報の活動のほんの一部に過ぎない。広報は、外部情報を社内に取り入れる部門であり、それを社内に流す部門であり、社内の情報を集める部門であり、また、社内の情報を社内に流す部門でもある。その上でなお、外部に情報を伝える部門なのである。
 広報活動の基本から、広報を担当した場合に気をつけておかなければならないことが、手際よくまとめられている。マスコミ対応の仕方や、危機管理も含め、多彩な業務である。その意味で、広告デザインそのものについて、何かが書かれているわけではない。あくまでも、広報としての心構えからその実際のノウハウが一覧できるのである。
 何かあったとき、やはりこういうまとまりのあるガイドが、欲しい。また、初めてこの仕事を取り組もうとする人が現れたときに、この一冊でひととおり学べるとすれば、こんなに便利なものはない。
 ところで、教会には、一般企業とは異なる、「伝道」という部門がある。信仰により行う部分もあるにはあるが、実務として、一定のルールに従う考え方はどうしても必要である。ただ、その部分が、「祈りによって」とか「御言葉に立って」とか、抽象的な説明でごまかされているフシがある。私は、一般企業におけるこの「広報」ほど、「伝道」の仕事に相応しいところはないと思う。つまり、伝道とは、たんに外に向けて何かチラシを撒くだけのようなことでは、ないのである。教会内の情報のやりとりの基地でなければならない。
 こうした企業の実務をヒントにして、教会においても、実に改善していくことのできる動きは、たくさんあるように思えてならないのである。




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