本

『やさしい切り紙』

ホンとの本

『やさしい切り紙』
矢口加奈子
池田書店
\1260
2007.2

 こうした細工にしても、あまりにも見事すぎて、近寄れないものもあれば、自分にもできそうだ、とちょっとやってみたくなるものとがある。この本のものは、間違いなく後者のものだ。事実、目の前の折り紙で試してみたら、そこそこ感動できるものができた。
 もちろん、仕上がりの妙だとか、芸術的感覚だとかからすると、美大出身の著者とは雲泥の差があることは分かる。でも、この本を見て、すぐに楽しめたのは事実なのである。
 正方形の折り紙を、半分、その半分、そしてもう一度半分に折るだけである。そこに、示されたような曲線で切り込みを入れる。あとは、破らないように気をつけて広げる。それだけである。
 海外旅行で見たもの、感じたものをヒントにして、その雰囲気を、切り紙で遺したという著者。従ってこの本に紹介されている切り紙も、国別にまとめられている。それぞれの味わいがあって、楽しい。
 紹介されたのはわずか28種類に過ぎない。しかし、これなら自分のオリジナルのものが出せるかもしれない、という気にすらなってくるのが不思議である。小さな子どもと一緒にやってみるのも、心が和む。
 小さなことではあるが、大きなことにつながる幸せのきっかけを教えてもらったような気がする。




Takapan
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