本

『数え方の辞典』

ホンとの本

『数え方の辞典』
飯田朝子
町田健監修
小学館
\2,200
2004.4

 面白いと思った。そして事実、とくに教育関係者にはかなり売れているらしい。
 五十音順に並んだ言葉に対する説明は、すべて数え方の単位が記されているだけ。その区別の仕方やコメントが短く書かれている。また、重要な項目については、詳しいコラムもふんだんに用意されている。
 本だけでも「冊」「点」「部」「巻」「帙」とあり、これらは漢語数詞に付くことまで明確にされている。最後の「帙」は「ちつ」と読み、和装の書物を包む覆いに入った書物や文書を数えるときに使用することが明らかである。
 和語に限らない。生活で出会う物であれば、外来語についても、どう数えるかがきちんと調べられている。
 ルビーなら「粒」「顆」「個」「カラット」という具合である。
 最後には、その単位自身が五十音順に調べられるようになっている。
 その中の「羽」の項には、「読み方注意」とまで親切にある。「はね」と読まないように、ということだ。これは、羽の数を数えるにあらず、と赤字で注意書きがしてある。鳥は羽があるからこれを使うが、その逆に、羽のある生き物をすべて「羽」で数えるわけではない、ということの具体的な注意である。また、それに1,2,3,...10がつく場合の読み方まで「いちわ/にわ/さんば・さんわ/……」と丁寧についている。さらに、ウサギをそう数えること、現在はウサギも「匹」でよいこと、このウサギをなぜ「羽」と数えるかのわけについてはある頁のコラムに詳しいという指示などが書いてある。
 楽しい。はまってしまってなかなか出てこられない本である。




Takapan
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