本

『この家庭学習法が小学生の学力を伸ばす』

ホンとの本

『この家庭学習法が小学生の学力を伸ばす』
川島幸希
二見書房
\1365
2004.4

 高い理想をもつことは、心の自由があれば誰にでもできる。だが、それを少しでも実現するに至るとなると、様々な要素が必要になる。時にそれは「運」とも言われる。また、その目標の実現のために額に汗して働くという長い道のりも必要になることがある。
 果たしてこの本の著者がどうなのであるか、それは私には分からない。実に羨ましい環境にあることは間違いない。自身エリートコースを進み、その秀明という中高大学の経営や運営に関わってきた人物であるらしい。しかもかなり若い。
 手慣れた文筆活動からもたらされる、小学生の親へのアドバイスとして成り立つのがこの本であるが、話そのものはたいそう分かり易い。多分に具体的で、また話に説得力もある。具体的に述べつつ、抽象的にまとめあげるなど、必ずしも単調とはならないように工夫された書き方であるかもしれない。
 小学生を二つの学年毎に三つの層に分け、それぞれの時代における、学習能力を上げることへのアドバイスである。その意味では、『耳打ち中学受験』の歩み方に近いものがある。実際、私がこのサイトで唱えているようなことが、この本の中にも見られるというケースもある。となると、私が学年毎に細かくアドバイスを重ねていくという企画に潰されている現状は、ますますそのままとなりそうだ。こういう的確なアドバイスが述べられている本が実際に世の中に出回っているということは、私がとやかく口を挟む必要がなくなったということなのだろうか。
 これは私学での話であり、全寮制の学校だからこそできるという内容も多く載せられているものの、まるで中学受験の塾の先生が記したかのように、効率のよい、あるいは効果的な学習法が、実際たくさん載っているように思われる。様々な家の形態があったり、子どもの個性が多様であったりすることを理由に、私は、この本の通りにすべてをすべきだとは思わないが、おそらく中学受験を目指すお子さんをおもちのお母さん方は、この本にハッとさせられるところが幾つも見つかるだろうと思う。
 そういうわけで、学習効果を上げたい方は、参考になることが少なくない本であろうという結論になる。




Takapan
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