本

『完全体幹教室』

ホンとの本

『完全体幹教室』
木場克己
日本文芸社
\2000+
2023.11.

 スマホを使う時間は、そのあたりの人々よりも少ないと思っている。だが、本を読む時間は、そのあたりの人々よりもきっと多い。年齢のせいもあるだろうが、頭が下がり、下を向いてしまっていることが多くなり、それが常態となっているような気がする。それは身内からも指摘されることだ。
 ふと「体幹」ということを気にする。いい本があった。全編カラー写真で、どうすればよいか教えてくれる。悲しいことだが、これを実践することなく、ふむふむと頭だけで読んでいるのが実情であるから、本当は何にもなっていないことになる。理論も書いてあるから、なるほど、と思うが、思っただけで終わりそうである。
 体幹の大切さと共に、自身がどのように乱れているのか、それに気づくことが大切である。それは大人はもちろんのこと、子どもにも必要なことであるし、シニア世代にも求められることだ。本書はその認識をはっきりさせる。
 インナーマッスルとアウターマッスルとのバランスの必要性にも気づかせると、体験を鍛えることのメリットが並ぶ。誰でもそれらには引き込まれそうである。そして、猫背・頭下がり・反り腰・片脚重心という、どこかに思い当たるようなパターンを示して、その後、写真でいろいろと指導が始まる。ここまで示してしまってよいのか、と傍目から心配してしまいそうになるほど、具体的で、細かな説明が施されている。トレーナーが開く教室に、これさえ読めばもう誰も行かなくなるのではないか、と思われるほど、懇切丁寧に説明される。
 部分部分のストレッチから、要所を押さえるトレーニング。親切だ。それから、子どもあふるいはジュニアにとってはどうかというふうに的を絞った指導があり、最後はシニアへと向かう。これは実は深刻である。老齢になると、動けなくなることは致命的な事態を招きかねないからである。しかも、体の柔軟性はともかく、まともに動くことさえままならぬという状態である。そのときに、どのようにストレッチが可能なのか。無理のない動きはどうなのか。
 NHKの「みんなの体操」は、伊達に「みんなの」がついているわけではない。近年は、たとえば車椅子利用者あるいは立っての運動が厳しい人のために、椅子に座ったままでその体操をするとどうなるか、というモデルが体操を見せてくれる。女性ばかりがモデルだった過去とは違い、男性が混じるようにもなった。
 本書も、ジュニアとシニアとのコーナーがあるのは親切であると思う。このシニアのところだったら、私もなんとか実践できるだろうか。いずれにせよ、眺めているだけではどうにもならない。体を動かしてなんぼである。それは、もちろん体幹トレーニングに限らないことなのであるが。




Takapan
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