本

『スーパーおり紙ヒコーキ』

ホンとの本

『スーパーおり紙ヒコーキ』
戸田拓夫
いかだ社
\1,400
2004.1

 けん玉に日本けん玉協会があるように、紙ヒコーキにも、日本折り紙ヒコーキ協会なるものがあった。1995年に、公式の競技ルールと共につくられたそうである。広島県福山市にある会長の自宅脇に、紙ヒコーキ博物館を開館。こうなるとすでにたんなる道楽ではありえない。
 すでに何冊か、著書がある。また、ネット上にも、代表的な紙飛行機の折り方が紹介されている。
 この本は、とくに外見で工夫を凝らしたもので、さまざまな動物や海獣、メカに見立てた形をした紙飛行機の折り方を多く紹介している。いずれも創意工夫に満ちた力作で、たしかにカッコイイ。そのうえ、実はそれが飛ぶという方が大切なのであって、試しに教会学校で、比較的折りやすい「おり鶴号」を作成したところ、実によく飛ぶのであった。
 飛ぶというのは、距離と滞空時間と二つの観点があるが、折り紙ヒコーキ協会でも、その2部門に分けての競技が考案されている。そして、この本に紹介されているものも、距離のためのものか、滞空時間のためのものかが、きちんと区別されている。後者は真上に向けて飛ばすのであり、翼が広く滑空できるようなスタイルをとっている。
 単なる折り方が紹介されているだけではない。紙の質から折る際のコツ、さらにできあがった作品についての修正の仕方から、翼の傾き方について、理論と実践の両方の面を備えた解説がたっぷりと冒頭になされている。とくに昇降舵の調整は、念入りに記述され、飛び方の多くをそこが司っていることが分かる。実に面白い。
 それを読むだけで、なんだかわくわくして、早く折りたい衝動に駆られる。これは楽しい。




Takapan
ホンとの本にもどります たかぱんワイドのトップページにもどります