本

『かっこいい切り紙』

ホンとの本

『かっこいい切り紙』
小林一夫
高橋書店
\1050
2007.11

 子どもが読めて真似をすることができるように、丁寧に作ってある。実際、その写真図版の多さや、的確な折り方や切り方の指示は、なかなかのものである。
 普通手に入る折り紙を利用して、切り紙細工の効果的な方法が伝授される。写真で見ると大きく感じるが、折り紙を切って作ったものだけに、実際の作品は小さいことだろう。
 素朴なアイディアから、へぇと思うテクニックまで、ふんだんに取り入れられ、実際にやってみるように促している。生活に役立つ工作もあるし、子どもの作品としての完成度を高めるためのアドバイスも載せられている。
 題の「かっこいい」に恥じない内容である。我が家では、戦隊ヒーローよろしくかっこいいキャラクターが切り取られているのを見て、ちょっとうなってしまった。
 こういう本は、それを見て、ちょっと作ったみたくなった、と言えるものが、優秀なのである。その意味で、これは手軽にできそうだという気がした。素朴な作品のように見えても、実際にやってみると、なかなかの苦労があるものだ。なにも、切り紙名人になれというわけでなく、ハサミの使い方、色彩感覚など、多くのものを育ててくれる。
 これだけの楽しい内容を入れておきながら、千円という定価は、安いとさえ思う。私はいつも、折り紙をカバンにしのばせている。折り紙は、多くの可能性となるし、指先も頭脳もやわらかくする。算数や数学の感覚育成にも、たいそう役に立つのだ。




Takapan
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