本

『世界の女性名言事典』

ホンとの本

『世界の女性名言事典』
PHP研究所編
PHP研究所
\2940
2004.10

 小学校の図書館に置いておくに相応しい本である。ふりがなもあるし、構成などもそうした配慮がしてある。つまり、ここから「調べ学習」を始めることができる構成になっているのだ。
 だが、小学生の一部にだけ読まれればいい、などとは思えない。大人こそ、しかも多分、大人の男性こそ、読まなければならない本ではないかと思うのだ。
 世界の著名な女性が、1頁ないし2頁単位で紹介されていく。ほとんどは写真だが、簡単な略歴と、その人の業績あるいはメッセージのようなものが、実に簡潔に説明されていく。
 読み進むにつれ、私は涙が止まらなくなる。女性ならではの、とか、女性だから、とかが全く意識されなくなる。男だ女だという比較対照も、もはや超えていく。人間として、何をしなければならないか、何を見て何を考えていくべきか、ただそうしたことが追究されていく場として、この本が浮かび上がってくる。
 気がつけば、ここには、権力争いのようなものがない。経済優先ですべてをよしと収めてごまかす風潮もない。あるのはただ、人間としての本音の部分だけである。
 尊い本である。
 最後に紹介される人物は、三浦綾子であった。日本人も多々紹介されているが、その中にクリスチャンが少なくない。キリストを信じる者として、何かできるという希望を、与えてくれる本でもある。




Takapan
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