『インターネット業界のカラクリがよくわかる本』

『インターネット業界のカラクリがよくわかる本』
中野明
秀和システム
\1365
2007.11

　あまりにも「今」に限定されたノウハウ知識を紹介する意味があるのかどうか、とも考えたが、そもそも今の時代の本は、一定期間書店に並ぶのがせいぜいで、１年後にも書店で入手できることが稀とも言われる。
　今が旬ということで、役に立つものはお知らせすることにしようと思う。
　かなり専門的な語が飛び交い、私もさっぱり実感のない世界が多々記されている本ではあるが、２頁単位で図解も含めてトントン進んでいく記述は、読み進むというよりも、気になった語を開いてみるという姿勢でよいのかもしれない。
　当該企業の元の姿なども含め、興味深い話題も少なくない。また、これから何が有望であるのかという点にも触れてあり、的確な資料と共に、説得力をもって紹介されている。
　数ヶ月こうしたことに無関心であると、あるいは現状維持でいいではないかという思いで利用だけしていると、とんでもない世界がすでにやってきていることに、浦島太郎のような心境に陥ることがあるかもしれない時代である。
　関心はもっていきたい。しかし、振り回されるのもどうだろうかという思いがある。自分に合った形で利用していくのならよいが、どうにも利用されるばかりが実情のような気が、しないでもない。このような本は、焦ることなく読み降ろしていくようでありたいと思うこのごろである。