本

『いにしえの旅』

ホンとの本

『いにしえの旅』
九州国立博物館
西日本新聞社
\1890
2005.10

 2005年秋、ついにオープンした、九州国立博物館。その、収蔵品精選図録であるとうたったのが、このカラーふんだんの本である。
 多くの案内人に導かれ、それぞれ4頁の中で、図版とその背景や歴史などを含む解説が施されている。
 この博物館、大変な人気である。多くの人が訪れているという報告を、個人的に各方面からも受けている。九州の人間って、こんなに歴史に造詣が深かったのかと改めて驚く。
 いや、日本の歴史を考えるとき、この九州北部なしでは、何も語れないのは事実だ。あまりに身近すぎて気づかないことがあるが、私の身の回りにも、驚くほど貴重な遺跡が、平然とそこにある。京都でも、そこかしこに歴史的遺産が転がっていたが、とくに古代史に関しては、それに勝るとも劣らないものを秘めたものが、この福岡という場所である。
 博物館は、太宰府にできた。これもまた、日本の歴史を繙くのに相応しいと言えよう。
 殊更に感服させるような驚くべき話が満載してある、とは言えないが、美しい図版と共に、短い中で実に正確で効果的な記述で、その美術品のことが説明してある。わくわくするような魅力はないかもしれないが、この九州にどれほどの貴重な資料が存在しているか、まざまざと見せつけられるような思いさえする。
 私も早く、一度訪れたいと思う。




Takapan
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