本

『図解 表示のカラクリ』

ホンとの本

『図解 表示のカラクリ』
表示の謎研究会編纂
彩図社
\1155
2007.2

 客商売に隠語や暗号はつきもので、客に悟られないように情報を伝えるために、音楽を変えるとか、特定の名前を持ち出す放送を入れるとか、店によっていろいろやり方があることだろう。
「店長、大きなお客様がいらして……」とは、ゴキブリが出たという意味であったりするかもしれないし、「【□□よりお越しの○○様】、2階婦人服売場へ」とは、婦人服売場でクレームが出たという意味だったり、特定の名前を持ちだして「○○様、お伝えしたいことがございますので、6階文具売り場まで……」とは、そこで万引きがあったことだったり、業務連絡をするデパートの隠語の存在は、広く知られているようである。
 だが、隠語はともかく、身近なものの表示の意味は、知らないがゆえに怖いということも、あるかもしれない。カップラーメンにも上級と標準があり、それは具の量であることは、この本を読むまで知らなかった。業界では当然の知識も、一般人では、そういうものである。いや、私だけなのか?
 運転免許証の都道府県くらいは知っていたし、「甘さひかえめ」が驚くほど甘いことも分かっていたが、その表示の基準となると、知ることはなかった。「抗菌」というのは実にいい加減な表示であり、ピンからキリまであることも、知らなかった。
 何かと雑学向けであるようで、かなり生活に密着した情報であると思う。食品添加物の危険性や、「乳化剤」「香料」などが、多数の物質をまとめて表示してあるに過ぎないこと、つまりたくさんの物質が添加されていることなどは、知らないではおれない知識であるだろう。
 ユニバーサルデザインの例としてよく出される、シャンプー容器のギザギザも、私は最近まで知らなかったのだから、ぼうっと生きている者は、そういうものだということになる。
 そうそう、ボタン電池などにLRなどとあるのも、この本で「へぇ〜」(すでに古い?)とうなった一つである。
 現代版の、生活の知恵ということなのだろうか。




Takapan
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