本

『ねえこの本読んで!赤の巻』

ホンとの本

『ねえこの本読んで!赤の巻』
赤木かん子
リブリオ出版
\1575
2001.4

 様々な色の名を冠した巻が全部で7冊。この「赤」は、絵本を楽しむための基本編と言えようし、他の6色は、小学校各学年に即したテーマ性とともに絵本を紹介していくものとなっている。
 さる方にご紹介戴いた著者のものである。私が小学校で絵本の読み聞かせなどを始めたものだから、いろいろ教えてくださっている。
 この本自体、絵本仕立てである。しかし、開いてみると、細かな字がぎっしり埋まっている。それだけに、絵本について、さしあたり分からないことは何もないというほどにまで説明されている。しかも、適度に語り口調で、テンポよく。
 私が思い描いていた絵本観というものが、そう大きく間違っていたわけではない、ということが分かってほっとした。そうだ、と肯ける内容が多く語られており、私のような者からしても、好意的に読み終わることができた。
 私が喜んだ本を、子どもに知らせてやろう、などという視点は失礼である。子どもに見せたら子どもが喜ぶかどうか、からスタートして考え、絵本を選ぶのでなければならない。それは、義務とか技術とかいうものではなく、子どもに対する、当然の礼儀である。得に著者が言うように、子どもは儀礼として、絵本を読んでくれた大人に感謝するが、それが心からのものであるかどうかは別だという指摘は、まさに私もつねに考えていたところだった。表向き子どもたちが喜んだからと言って、それでよかったのかどうかは分からないのである。少なくとも、私はそのように考えていた。ゲストを迎えた立場としても、教室の子どもたちは立派に振る舞うことができるからである。
 この本自体、読みやすい。よい本を教えて戴いた。




Takapan
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