『本の本音』
高橋誠・森恵子
生活情報センター
\1470
2004.9
面白い企画である。インタビューを行う。ひと癖もふた癖もある論客を相手に、本音を語ってもらう。十人が選ばれた。山崎正和・西部邁・金子勝・島田裕巳・福田和也・森永卓郎・寺脇研・河上亮一・小田島雄志・田辺聖子。
インタビューならで、より心の内が無防備に出てくるというのもあるし、書くときには決して出てこないホットなハートがこぼれてくるというのもある。論理武装した姿でなく、プライベートでの当人に近い姿である。
私自身、この人はこんなふうだ、という先入観をもっていた人物が、案外話の分かる人であるのかなというふうにも思えてきたりした。
このような経験は、読者一人一人において、あるのかもしれない。
ただ、教育畑の役人をしていた人で、終始「ゆとり教育」を主張している人の判断は、ずいぶん甘いのではないか、という点は、見方があまり変わらなかった。
分野が異なっても、同様の時代観が得られることもあった。日本は今後、ごく一部のエリートと、大多数の自ら思考する権利を献上するような人々とに分かれていくだろうというふうな見方がそれだ。
まさに、一部の人々が企むのはそれである。そのほうが統治しやすいではないか。
時代を見張る役割を果たさなければならない、と考えているクリスチャンが多い。不穏な動きに気づかなければ、してやられる。となれば、このような本音が少しでも現れている本を活用して、今どんなことが企てられているのか、感じるのも悪くない。
それにしても、オウム真理教のことで名を知られた島田裕巳さんのその後について、こんなふうだったとは、ちょっと分かってよかった。独特の宗教観をもつ人だが、信用するしないは別として、その見方には興味深いものもあった。
一冊で、多くの人に出会えるような気がするお得な企画であったと喜んでいる。