本

『食べて健康になる事典』

ホンとの本

『食べて健康になる事典』
落合敏
日本テレビ放送網株式会社
\1299
2004.9

 日本テレビで昼に放送されている、健康オタクのような番組にも、時々出演するという著者の手になる、生活に役立つ食材の事典である。
 写真もなければ、イラストもない。それだけに内容の叙述が充実していることになるのだが、その食材の謂われや歴史、現代の中で取り巻く状況などが、簡潔にしかも詳しく、記されている。
 見出し的に、「注目効果」なるものが並んでいるのも目を引く。たとえばキャベツなら、「ガン予防/胃潰瘍・胃炎予防/風邪予防/美肌」と記されている。この辺りが、そのテレビ番組のノリだなぁと思う。
 しかし、保存方法や店頭での選び方のコツ、調理の仕方への細かいアドバイスとなると、たとえ健康云々に強い興味のない人においても、注目するところであろう。
 写真がなく、イラストが最小限であるゆえにまた、情報量は多いかもしれない。「効果」については単純に鵜呑みをして喜ぶのではなく、そういう効果が長期的には見込まれうるという程度の読み方をしておけばよいかと思う。
 だが、記述の隅々に、読者への分かりやすさと誤解のされなさとを強く意識した文章表現がみられるように感じる。著者は、茨城キリスト教大学教授である。人の命、健康を支える食事、食料品という中に、真剣な問いかけをすることによって、多くの人に役立つ本ができた。
 その言葉だけを鵜呑みにはせずに、広く食料品について学ぶという意味で、目に付いたところから楽しく目を通して戴ければ幸いである。




Takapan
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