本

『ハチャメチャ2才児』

ホンとの本

『ハチャメチャ2才児』
プチタンファン企画室
主婦の友社
\1050
2005.5

 2歳児には手こずるという。これは、乳児から幼児までを日に何十人と扱っている妻の感想である。
 1歳までなら、さほどのパワーはない。3歳以上になると、言葉が通じる。だが2歳には、パワーがあるうえに、言葉が通じない。2歳児健診となると、手に負えない混乱となるのだそうである。
 はたして十年前もそうだったか、記憶が定かではなかった。次男は至っておとなしかったし、長男が2歳のときには、次男が生まれたことと、長男が喘息を患っていたために、また違った印象をもっていたからである。
 だが、三男が生まれて今、2歳を迎えて、それが実によく分かるようになった。こいつが、ハチャメチャなのである。
 この本は、若手の母親のために、マンガやQ&Aを多用して、分かりやすく分かりやすく書かれている。だから内容に乏しいかというと、決してそういうことはない。多くの小児科医や発達心理学者の手によって、効果的にまとめられている。
 しばしば、育児書、理論書となると、理路整然とまとめられてはいるが、共感はしにくい。稀な例や典型的な例が、恰も臨床例の発表の如くに報告されるようで、どこか他人行儀である。だが、こうしたいかにも俗的なマニュアル本だと、論理的な展開は期待できないが、生きた実例がそこかしこに見出される。その結果、お母さん方は、こんな安心感を抱くことができる。「ああ、うちの子だけじゃなかったんだ……」
 この効果は大きい。
 頼りすぎるのは、もちろん禁物である。また、ここに書かれてあるアドバイスが通用しないような場面も、いくらでも存在する。しかし、2歳児の保護者のみならず、2歳児の保護者を御覧になるすべての方が、大変な2歳児という認識をして戴くことも、十分意義のあることだろうと思う。
 嵐の2歳児に、乾杯。




Takapan
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