本

『原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木』

ホンとの本

『原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木』
濱野周泰監修
柏書房
\3570
2005.9

 こういう図鑑を見ていると、わくわくしてしまう。
 文句なしに、見ているだけで楽しい。自分の知らないこと、考えたこともないことが満載している、しかもそれは深く考えることもなくただ見ればよく分かる、という本で、写真や図版ばかりとなると、楽しくなるではないか。
 木の葉というのは、どれも同じように見えたりする。もちろん、形や大きさが違うことは分かっているが、落ちている葉を拾って、この葉はこれこれの木の葉だ、と身元を当てることは、私のような者には、とんとできない。昔の人は身の回りの木であればきっと知っていたことだろう。
 葉から検索して木を知る、という図鑑は、そうそうあるわけではないと思う。さらに、もちろんその木の特徴や性質、そからTOPICSとして、名の由来や名所、利用法なども一言触れられているとなると、魅力がまた倍増する。
 葉というのは、木の生命線である。ここで光合成をするために、木はその生育地や他の植物との関連などから、実に巧妙な構造や機能を有するようになっている。その葉に、これほどの個性があるものか、と改めて感動する。
 自然は、かくも種類が豊富で、生き方が豊かなのだ。
 想像力の貧困な私などは、「木」などと一括りにして呼んだりするが、とんでもないことだと教えられた。せめて、人間を理解するときくらい、この一括りをやめたらいいのに、とも思った。




Takapan
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