本

『13歳からのグラレコ』

ホンとの本

『13歳からのグラレコ』
樋口美由紀
メイツ出版
\1720+
2024.12.

 「グラレコ」では分かりづらい。「グラフィックレコーディング」の略であるらしい。元々、会議やプレゼンテーションなどで、絵や図、文字を使ってリアルタイムに記録することをいうらしい。
 本書は、サブタイトルに「学びを楽しむノート術」と付けており、これを中高生の学習ノートに活かそう、というコンセプトであるらしい。それがタイトルの「13歳からの」という意味であるらしい。「ノートを使って学びを自分の力にする!」という文字も吹き出しで見せているから、これが勉強に役立つものであることも分かる。しかし、よりその点がはっきり書いてあるのは、「おわりに」の中である。もちろん、「はじめに」にも、勉強のことに触れていないわけでもない。だか、そこで伝わってくるのは、「いろいろ役に立つよ」というメッセージである。それに、裏表紙は、学生のノートのイラストが付いているが、表紙側は、もっと一般的な、プレゼンや話し合いの場のイラストとなっている。
 私は、勉強という面をもっと強調してもよかったのではないか、と思う。
 本の構成としては、まず「グラフィックレコーディング」とは何かということと、イラストの効果を伝えるところから始まっている。
 最初の説明は、「ノート術」である。とはいえ、これは学習用という雰囲気ではなく、もっと基礎的な部分から始まるものである。
 その後、「とにかくやってみよう」という題で、いっそう基本的な部分を説明する。それまでが概念的な説明であったことに比べて、ここは具体的にどうするか、のアプローチであるように見える。一つひとつの技としては、この章が最も役立つところであろう。
 それからまた概念的に、「目的別グラレコ活用法」として、情報整理やアイデア活用についてのレクチャーがあり、続いて「学んだことを今日から使ってみよう」として、メモや日記など、様々な活用法が紹介される。自己紹介でも読書ノートでも、活躍の場はどこにでもある、というカタログのようなものである。
 次には、会議での活用法が短くまとめられ、最後に「授業でも使ってみよう」と、五教科での具体的な見本が一つずつ紹介される。中高生の勉強に、という「おわりに」の願いは、言ってみればここにしか活かされていない。となると、タイトルの「13歳」は、本性では非常に軽く扱われたことになる。本筋は「からの」にあったのである。13歳も、まあちょっと触れているよ、しかしそもそも学生にアピールしても需要が限られているから、殆どは大人向けの本なんだよ。こんな声が聞こえてくるような気がしてならない。ターゲットは、大人だったわけで、学生はついでだったのである。章の構成も、もう一つ落着きのない感じがしていたのは、私が「学び」の中に「13歳」を頭に置いていたからであって、そこは最後に付け加えられて然るべきものでしかなかった、そういう印象を与える。
 果たしてこれは、著者の狙いだったのだろうか。私は、推測に過ぎないが、編集側でも都合ではないか、と思う。学生に限っては、大人に手に取ってもらえない。が、著者は中高生に、としきりに言う。ならばタイトルで中高生狙いを示し、「からの」を付けて、さらに表紙や宣伝文句としては、「学校」の中から飛び出している、という点をアピールしよう、と販売側が考えるのは理解できる。
 だとしたら、この本か含まれるシリーズ名が「ジュニアコツがわかる本」と右上に付いているのは、どうしたわけだろう。もしかすると、私の推測は逆なのだろうか。編集側が、中高生にお願いします、と言ったのに、著者が、一般に広がることをぜひ打ち出してほしい、とそちらを中心にしていったのだろうか。
 謎は深まる。ともかく、筋が通らず、もやもやとしたものが残った私だった。




Takapan
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