本

『古地図の中の福岡・博多』

ホンとの本

『古地図の中の福岡・博多』
宮崎克則・福岡アーカイブ研究会編
海鳥社
\2625
2005.12

 ローカルな資料であるだけに、他地域の方の関心を呼ぶことは少ないかもしれない。
 九州大学には、ネット上に、資料を公開しているものがある。その中の一つ、19世紀初頭の、福岡城下町と博多と若干の近隣を描いた地図を、この本は取り上げている。
 そもそもが、四畳半ほどもあろうかという大きな地図だそうである。その中に1〜2mmもの小さな文字で書かれた部分があるというのだから、縮小印刷では読みようがない。一部ずつでも克明に記録しながら検討するという営みは、学者のなす重要な仕事であろう。
 描かれた各地域についての、解説とその歴史紹介などをも含めた、地図の解説が続く。
 福岡・博多は、歴史的にも史料価値の高い地域の一つである。この地図の解釈によって、大きな歴史像の改変が必要になる場合があるかもしれない。また、ただ単に地元の昔のことが知りたいと思っただけでも、十分楽しめる。歴史を知らなかった、と感心することも少なくないと思われる。




Takapan
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