本

『絵をみてできる数学実験』

ホンとの本

『絵をみてできる数学実験』
礒田正美・原田耕平編
講談社サイエンティフィク
\2,400
2003.12

 数学に実験があるのか、という疑問。いや、数学者ほど、様々な実験的手法で考察している。というより、抽象思考をとらなければならない中学校の数学において、こんなに楽しい実習ができるのだという見本が、ここに展開されている。
 紐で直角を作る方法、折り紙で正三角形や正五角形を折る方法、川幅の測量、マッチ棒を並べての図形の作成から等積変形、道具を使っての角の三等分、サイコロの展開図、平面の敷き詰め問題、紙の規格の相似性調べ、曲面における最短距離の求め方、興味深い話題が紹介されていく。
 私など、よだれが出そうな内容である。それは、教える材料としても使えるのはもちろん、私自身も楽しめるからだ。そして、ものを考えていくというのはどういうことかを教えてくれる題材でもあるし、子どもたちに考えることの楽しさを提供していくことができる題材でもあるからだ。
 さすがに小学生では読みこなせない内容であって、知識としては中学校の教科書の内容を多用している。教育大学での研究の成果の一つがこの著書であるようなので、安心して読むことができる。いや、大いに参考になる。
 どの実験も、紙と鉛筆、はさみやテープなどの簡単な道具だけでできるものばかりである。時間の許す方は、教育の仕事とは関係なく、お楽しみ戴ける本だと思う。




Takapan
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