本

『デジタルネットワーク社会』

ホンとの本

『デジタルネットワーク社会』
桜井哲夫・大榎淳・北山聡
平凡社
\1575
2005.1

 とりあえず手元のパソコンはそこそこ扱えるようになったし、ホームページの作成も幾らかできるようになった。だが、私はプログラムや情報処理などの知識はまるでない。コンピュータについての知識のある人が羨ましくてならない。
 ともすれば多くの人が分かったふりをしているような、デジタル社会についてのこれまでの経緯が、この本には簡潔明瞭に記されている。あるいは、私は機械が苦手なので理屈は分かりません、と最初から取り合わない人にとっても、無関心ではいることができないような、このコンピュータを使っていく世の中の注意点などが、誰にでも読めるような形で、たつぷり説明されている。
 とはいえ、カタカナ用語がたくさん出てくるのは間違いない。ある程度の予備知識は欲しい。しかし、よく意味の分からないところは最初からもう読まないという決意のもとに、何か目に止まるところを探して頁をめくっていくのは、悪いことではない。ハッと気づくようなことが、極めて重要であるということは、よくあることである。
 それにしても、デジタル社会についてのこれほどに簡潔でまとまった歴史というだけでも、見渡す価値がある。
 個人的に私は、終わりのほうの「ナルシシストたち」についての話が面白かった。人と人とのつながりを真に回復するためにはどうすればよいか。これは、昨今の引きこもりや少年事件との関係からも、ぜひ一読しておきたい内容であると思う。
 本では、そこからさらにケータイについての考察に移る。そう、このケータイというものが、実に問題なのである。




Takapan
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