本

『図解雑学 電車のしくみ』

ホンとの本

『図解雑学 電車のしくみ』
宮本昌幸監修
ナツメ社
\1417
2005.9

 様々なシリーズを送りだしている、「図解雑学」の一冊を手に取った。
 尼崎でのJR西日本の電車の脱線事故のときにも、専門家が鉄道の仕組みについて、テレビで解説していた。そうした事故原因究明のためには、電車の構造や仕組みについて熟知した専門家の意見が貴重であろう。テレビの司会者たちは、その専門的な解説を聞いても十分理解することが難しいらしく、曖昧な頷き方をしているように、私には思えた。いや、私も、ふうん、という気持ち以上のものは、理解をもった仕方でもつことはできなかったのである。
 物理的な原理を、曲がりなりにも学習したとなれば、この本の中の一部の物理の授業のような部分は、読まなくても済むだろう。だが、学習していない人にも、電車の仕組みを理解するための物理の知識が、ちゃんと備えられているというサービスぶりである。
 いやはや、なんとも分かりやすい本である。このシリーズの徹底した解説サービスには、脱帽である。左頁に解説文、右頁にはイラストと書き込みという形式で、見開き一項目を完全に理解させて進もうというのである。それがまた、実に的確で簡潔な解説ぶりなのだ。
 電車が曲がる仕組み一つとっても、この解説で唸ってしまうし、ブレーキの利き方も、自動車のプレーキングのことを免許を取るときによく理解していれば、想像はつくものの、驚きの連続である。
 こういう分かりやすさというものは、大いに見習うべし。優しい言葉で伝えるというのは、すばらしいことなのだから。




Takapan
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