本

『大学病院の使い方がわかる本』

ホンとの本

『大学病院の使い方がわかる本』
真野俊樹
草思社
\1470
2004.9

 医師であり、医療アナリストであるという著者による。比較的若い世代に属すると思うが、広い視野で、患者の身になった説明が施されているように感じた。
 大学病院にどうしても行きたがる風潮の背景についてまず記し、そもそも大学病院とはどういうところかを整理して述べる。一つの話題について2〜3頁にまとめているのも、読みやすい。
 大学病院の良いところも悪いところも、包み隠さず述べるという感じだ。そして、いわゆる町医者とでも言うのか、かかりつけ医の存在と、大学病院との関わりを、あくまでも患者の視点でくどいくらいに詳しく説明していく点が、有用である。
 よい医者の見分け方というあたりは、あまり文字通りに理解しないほうがよいかと思う(でないと実際の医師に失礼になることがあるかもしれない)が、薬や医療の問題についての幅広い解説は、素人の私にもよく分かり、ためになった。
 費用の安さもあって、我が家では大学病院にかかることが多い。もちろん、それには理由があるのであって、紹介なしで行くわけではないのだが、設備や機器があって初めて見抜ける病気、対処できる事態ということが予想される場合には、大学病院はありがたいと考えている。
 待ち時間云々も、近年はずいぶん改善された。それに、サービスもよくなった。たしかに、風邪をひいたからといって大学病院に並ぶというのも問題だが、こうした理解を促す本を手に、不安があれば大学病院はどうか、とこうした本を下見して、考えてみるのもよろしいかと思う。




Takapan
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