本

『図解・クラシック音楽大事典』

ホンとの本

『図解・クラシック音楽大事典』
吉松隆
学習研究社
\1575
2004.5

 ああもう、なんて楽しいのだろう。
 こんなクラシック入門書を待っていた。クラシックというから、燕尾服でも着てちょいとハンカチをポケットから出した恰好で直線的にお辞儀をしなければならないと思いがちな私たちの頭脳を、根底から破壊してくれる。
 めちゃくちゃ「軽い」のである。
 ありそうでなかったのではないか。今風に、何でもマンガや軽いノリで語ってしまう風潮の中で、これほどにクラシック音楽をこてんぱんに軟らかくしたものに、私は出会ったことがない。
 可愛いイラストがふんだんに鏤められている。ということは、情報量が少ないと言えば少ない。しかし、そのすべてが頭に残るので、頭に入る情報量からすれば、どんな本よりも多いと言える。この可愛いイラストが、著者本人であることも、信じられないほどである。というのも、この著者、5つの交響曲をはじめ、鳥をモチーフにした様々な楽曲を発表して、世界にも開かれた若手(50代になってもそう呼んでよいかな)の作曲家なのである。
 中学生の学習を塾で見ていて、よく思う。定期試験前に、音楽で悩んでいる子が実に多い。偏見に過ぎないが、女の子ならみんな楽譜が読めるという錯覚に陥ることがある私など、何度出合っても愕然とする。まったく楽譜が分からない女子。苦労しているのだろうと思う。しかし、塾の正規の授業に音楽はない。しかし自習で音楽のプリントを開き、調号を目の前にして目を白黒させている女子を見ると、私はつい、手をさしのべてしまう。シャープの印は「シ」の階名だよ、などと。すると、中学生は目を円くして驚く。「なあんだ」と。
 私はこの極めて明るく軽いクラシック入門書を見て、思った。これは音楽に悩む中学生にまずお勧めしてよい本である、と。
 いや、私も開いてみて驚いた。「へぇ〜」と。私も、かの中学生と大した差はないらしい。
 中学生と言わず、高校生でも大人でもござれ。教会に来るようになって、賛美歌に興味をもたれた方も、年齢に関係なく、この本からスタートなさるとよろし。私が太鼓判。権威はないけれど。




Takapan
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