本

『クラシック音楽ガイド』

ホンとの本

『クラシック音楽ガイド』
後藤真理子監修
成美堂出版
\1365
2004.12

 こんなにカラフルで、こんなに読みやすくて、こんなにためになる本が、この値段でよいのか疑うほどに、うれしい。なにしろ、バッハでさえ、4頁で終わりだ。この簡潔さとカラーな図解が、何とも手軽で楽しい。
 もちろん、本式のクラシックファンからは、物足りないと言われるのは当然だし、これはあくまでも入門編に過ぎないのも事実であろう。しかし、クラシックに必要なのは、広い入口ではないだろうか。頃合いを言うならば、私くらいに、ちょびっとだけかじって、時折ピアノ協奏曲や交響曲を聴いて楽しむ、といった形でクラシックを日常生活の中に取り入れていくことが進めば、大いに盛り上がるのではないだろうか。
 33人の作曲家たちを敷衍していくかのように述べた後、オーケストラの知識や、世界の管弦楽団の紹介、ホールや音楽学校、音楽祭までが見渡せるようにサービスしてある。それも、やたらくどくなく、さらりとである。
 個人的には、リムスキー・コルサコフに割かれた頁がなかったのが淋しく思うが、こんな有意義な本に触れると、NHKFMを聴くのがまた楽しみになってくるのではないかと思う。




Takapan
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