本

『celebrate EASTER』

ホンとの本

『celebrate EASTER』
Deborah Heiligman
NATIONAL GEOGRAPHIC KIDS
US$7.99
2016

 すでに『celebrate CHRISTMAS』について、先にお伝えしている。重なる部分を割愛するのもひとつの方法だが、こちらのほうを先にご覧になる人もいるかと思い、重複することを、はっきり言ってクリスマスの方に記したそのままのことも、ここに記しておこうかと思う。
 32頁にまとめられた、英語のブックレット。韓国でプリントされているというが、どのように制作され、流通しているのか、全く分からない。
 写真がふんだんに盛り込まれ、まるで絵本のように、イースターの様々な側面が紹介されている。英語は子ども用であり、本場では小学生未満を対象にしているものらしい。諸外国でも販売されているようで、そのときには小学生くらいを対象としていると見ればよいのだろうか。だから英語が読めるとまでは言えない人でも、覗いてみるとよいだろうと思う。
 中に書いてあるが、ここにあるのは、習俗的な、生活の中でのイースターの紹介である。さあ、イースターというものは、どのように祝うものでしょうか。そうした観点から、子どもに、イースターの祝い方を指南するような感じがする。そして、宗教色を強く出さず、俗的な祝いでも全く構わないという角度から、けっこう詳しい叙述もあり、アメリカなどでのイースターの日常がよく伝わってくる。
 さて、この本のテーマは、最初の紹介のところに大きな文字で打ち出されているが、「色つき卵」と「花」と「祈り」である。こうした、明確な指針が立てられるというのは、とてもいいことだと思う。これから本書を開いてゆく人に、コンパスを提供するのである。
 それは、イエスの復活に関することである。では、イエスの復活とは何だったのか。それを伝えるには、イエスの死を説明しなければならない。
 子どもたちに、それを告げるのは酷であるかもしれない。だが、英語圏の人々には、キリスト教は日常生活であり、魚にとっては水のようなものである。イエスは死んで、蘇った。その死ということを正面に見据えなければ、信仰はないし、このイースターという祝日もないわけだ。
 だが、これは説教ではない。習俗としてのイースターを説明する場である。だから、カーニバルについて説明をも施すし、教会ではどのように祝うか、という根本的なところも見せなければならない。
 イエスは光である。また、多くの奇蹟をなした。私たちはイエスにハレルヤと歌う。これらはどういう理由であるのか、説明をしてゆくのである。
 しかし、堅い話ばかりでは、子どもたちは退屈になる。たぶん子どもたちがイースターということで一番楽しみにしているのは、「エッグハント」であろう。教会の敷地のどこかに隠された、色や模様のついた卵を探し当てるのである。その卵を自分たちでも彩ってみよう。そうしたところから、イースターのパレードや、料理について言及する。
 十字架という、世にも悲惨な死の情景でこれを語ることもできよう。だが、子ども向けである。イースターは、実に「喜びのとき」であるのだ、ということを強調する。
 用語集と、著者によるメッセージがあるのも、クリスマス版と同じである。だが、もちろん内容は異なる。教会では、そして聖書では、どのように扱われているかをきちんと最期に著者が述べる。復活は、罪を贖い、死に勝利するものである。子どもたちにも、聖書にある、過越祭に於ける最後の晩餐について触れることはどうしても必要であろう。そればかりか、その後の教会の歴史についても著者はしっかり伝えリル。ユダヤ教の影響を受けながら、キリスト教が成立したわけだが、この「イースター」という呼び方が、異教の祭りに基づくような部分があることも、正直に述べてある。
 もちろん、これが習俗としてあることもちゃんと伝えた上で、著者は最後にきちんと述べる。イースターの祭りそのものは、確かに異教を始めいろいろな影響を受けて今日あると言える。だが、ここで祝福されるべきもの、注目されるべきものは、これが新しい命、永遠の命に関係している、ということである。
 ただの日常のお祭りを伝えるであろう日本のイースター紹介とは、訳が違う。強調しすぎないようにしてはいるが、きちんと聖書に基づくイースターの意味を示すのだ。
 表紙の可愛いウサギが、思わず手に取りたくなる本である。機会があったら、開いてみて戴きたい。




Takapan
ホンとの本にもどります たかぱんワイドのトップページにもどります