本

『猫グッズ図鑑』

ホンとの本

『猫グッズ図鑑』
佐々木ルリ子
河出書房新社
\1400+
2009.1.

 表紙全体に、所狭しと並ぶ猫グッズ。裏表紙もだ。これにコメント的な解説を加えたものが、本書の中身である。
 元来、可愛いものや懐かしいものを集めたりレポートしたりするのがベースにあったのだが、著者は、猫を飼ってからは猫グッズにはまった模様である。
 小さな写真とその解説が、五十音順にひたすら並んでいる本である。これらは著者のコレクションなのだろう。
 招き猫発祥と言われる今戸神社の紹介から、「エースをねらえ!」のゴエモンも押さえながら、いくらでも膨らませられそうな話題も、禁欲的に厳選しながら、できるだけ多項目にわたり紹介しようとしている。首輪が、猫ブームだった江戸時代に由来しているなど、教えられることも多い。しっぽで分かる猫の気持ちは、知っていることもあったが、参考になることもあった。猫じゃらしとも呼ばれるエノコログサが、「犬コログサ」から来ているのも、初めて知った。
 猫の写真のついたテレホンカードなど、いつの時代のものだ、と思わせるものがあるから、かなり年配の方なのだろうか。
 『ノラや』や『百万回生きたねこ』やポール・ギャリコなど、本も渋く押さえてあるし、「やっぱり猫が好き」も捉えているから、やはりベテランの方なのだろう。  巻末の、折り紙や猫グッズの創作の助けが個人的でステキだし、東京の地域猫マップや、「猫のテーマパーク」など、親切心なのか自分の趣味をただ出すためなのか分からないが、うれしいお知らせが鏤めてある。
 こうした個人的な好みは、他人には決して干渉できないことである。だが、それでも猫が好きだという気持ちがあれば、どの猫ファンにもアプローチできる道があるのが不思議である。必ずしも好みが合わないかもしれないが、必ずそこに通じる道がある。
 ここに掲載されているものは、個人的な収拾であろうし、いまではもはや入手することが不可能なものも多いのだが、それはそれでコレクションとして見せてもらえれば十分であろう。そして、読者も猫が好きであるならば、自分なりの猫グッズというものが、必ずあるはずだ。本書を見て、こういうジャンルのものもあるのだ、と視野が広くなれば、またそうした方面へ手出しをする契機となるかもしれない。そういう刺激が満載の本である。
 そして、先にも挙げたが、教えられる知識ももちろん多い。海外のキャットフードには、魚が少ないというが、それは私にも想像できた。元来猫は魚を食していたわけではないからだ。しかし、イタリアの猫はパスタも食す、というのはさすが新鮮な眼差しを得られた。日本でも、猫まんまというのがあるわけで、ごはんを食する猫は、昔は確かに多かった。
 それにしても、「にゃんリンシャン」とは何なんだ。もはや今の検索にも、引っかかってこないが、本書にはちゃんと写真がある。こういう謎が、きっと他にも多々あることだろう。だから、猫好きには飽きない本なのだ。




Takapan
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