本

『美人の日本語』

ホンとの本

『美人の日本語』
山下景子
幻冬社
\1470
2005.3

 図書館から借りた。あまりに魅力的で、そばに置きたくなったので、ついに購入した。  時折、そんな本がある。この『美人の日本語』もその一冊。
 日めくり形式で366の言葉の玉手箱という具合だ。たとえば私の誕生日の6月17日には、こういう言葉が挙げてある。
「潦」
 リョウではなく、ロウと読むことさえ知らなかったが、訓読みがあって、「にわたずみ」というのだそうだ。
 この「にわたずみ」がこの日の言葉。雨が降ってできる水たまりや流れのこと、と記してあり、そこから「俄か川」にも荒れ、大自然への眼差しと人生と重ね合わせる思いとへと通じていく。それが1頁にまとめられていて、こうしてすべてのカレンダーが形成されるのである。
 作詞家として、言葉を学び調べていくときに出会った美しい言葉のメモが、この本の発端であるという。それをメルマガで紹介しているうちに、溜まりに溜まったものを本とした、ということらしい。
 ひとつひとつの言葉が、私たちを癒すように感じる。そしてたぶんどなたも予想するように、その言葉とは、ほとんどが訓読み、やまとことばであるわけだ。
 1頁読む毎に、ひとつ優しくなることができるような、稀な本である。




Takapan
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