本

『PEANUTSキャラクター大図鑑』

ホンとの本

『PEANUTSキャラクター大図鑑』
谷川俊太郎翻訳
学研教育出版
\950+
2014.12.

 趣味だけで取り上げたような一冊である。
 それにしても、スヌーピーはいまなお健在である。それどころか、キャラクターとしてもミッキーマウスと人気を二分するような勢いで、生活製品の中にもキャラクターとして採用されることが多い。
 私はスヌーピーと、小学生のときに出会った。好きだった。たくさん絵を描いた。この経験が、今なお絵を描くのが好きだということにつながっているのは確かである。一時は、昔のツルコミックを集めた。英語表現も学んだ。
 それが、キリストと出会い、後になって、このスヌーピーに大いなる意味が隠れていることを知って、改めて好きになった。そう、作者のシュルツは、信徒伝道者でもあったのだ。そして、コミックスには、聖書の精神があふれている。解釈者の意見であるが、スヌーピーはキリストを演じているのではないか、とも言うのだ。
 この本には、キリスト教的な観点で紹介されているわけではないが、ピーナツのキャラクターがひとりひとり紹介されている。重要人物も、いわは端役も、ほぼ等しいスペースしか与えられておらず、登場するマンガのコマもそう差はない。泣き虫ブービーのように、この恰好をなにも見出しに使わなくても、と思われるようなキャラクターもいる(たぶんこの顔しかないのだ)が、ぱらぱらめくっているだけで、懐かしい気持ちになってくる。ただ私には、途中から見ていなかった時代に、やたら登場してきたスヌーピーの親族などには、ついていけない面があるが、これを機会に、改めてコミックを見てみようかと思う気持ちになった。
 ちなみに、SNOOPY MY BOOK なる文庫ノートが発売されている。これには、各頁にコマ漫画が掲載されている。ピーナツの初期のマンガである。ファンには応えられない。チャーリーブラウンはもちろん、スヌーピーなんか別の犬である。ここから始まって、今のようになってきたのだと思うと、感慨深い。
 どうぞ、見た目の可愛いキャラクターというだけでなく、スヌーピーのコミックなどに触れ、作者シュルツのこめた思いや、そこから指し示される上よりの平安、世界の見方などにも、目を向けてくれたらと思う。そのためにも、若い人たちに、コミックスになじんでもらえたら、と願っている。




Takapan
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