『レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と科学』
前田富士男監修
イースト・プレス
\2310
2006.4
著者すなわち原文の執筆者は、イタリア人と思しき7人を数える。
レオナルドの生涯から、その芸術と科学などについての解説を、多くの図版の中に文章を流すような形で、的確に施した力作。
物議を醸したミステリー映画がダ・ヴィンチに触れておりそのタイトルにまでなっていることから、注目を浴びるということで出版に踏み切った――などと言うと、関係者からお叱りを受けるかもしれないが、そんなタイミングで出版されている。
だがそんなミステリーだけの読者を駆逐するだけの価値は十分に有している。ここにあるのは、必ずしもレオナルドを聖人のように描いた本ではなく、人間として、いやさらに言えば、実に泥臭く調べ尽くして語る本であるといえよう。
堅いことは言うまい。ここにある、事実上この本の8割以上を占める図版を眺めるだけでいい。人類史上まれに見る天才と言われた男の仕事が、何か理解できるもののように見えてくる気がするではないか。