本

『21世紀野菜をおいしく食べよう!』

ホンとの本

『21世紀野菜をおいしく食べよう!』
フルタニマサエ
河出書房新社
\1365
2004.7

 スーパーマーケットや八百屋に日々通う私としては、たしかに、知らない野菜に出会うことを意識していた。
 だいぶ前のことだが、モロヘイヤを初めて見たときも驚いた。マスコミで騒がれたものは、それなりに情報が伝わってくるから、このときもテレビから供給される知識で、ひとつ買ってみようという気になった。これは比較的ポピュラーになり、我が家でも今日それを食したところである。
 この本には、耳にしたこともないような名前の野菜が紹介されている。その栄養や素材としての扱い方、調理例のレシピなど、親切な構成である。
 話のタネにもいいだろう。実際にこの野菜を手に入れ、料理して人に振る舞えば、ちょっとした話題のタネになるだろう。料理の楽しさが増すふうにもなるだろう。
 従来の素材の良さを引き出すような料理の世界もあれば、新しい素材を見出してその美味しい食べ方を紹介するのも、料理研究家の仕事である。よい仕事がしてある本である。
 因みに、掲載されているのはすべてが新しく開発された野菜ばかりというわけではない。レンズ豆のことが記されているが、これは旧約聖書にも書かれている古い歴史をもつ豆で、日本ではあまり手に入らないが、欧米ではよくある食材である。京都で、近くにあった「モリタヤ」というスーパーや「明治屋」のようなところには、輸入品など一風変わった食料品を多く提供していたユニークな店だったが、そういう店に時にそのレンズ豆があった。一度、訳も分からないままに調理したが、あまり美味しいとは感じなかった。この本のレンズ豆の頁には、ワインやワインビネガーで調理するとクセがとれて美味しいとあった。なるほど、こういうアドバイスがあれば、あのときも美味しく食べることができたのかもしれない。




Takapan
ホンとの本にもどります たかぱんワイドのトップページにもどります