千鳥屋のイースター

イースターエッグ
2003年3月

イースター<復活祭>は どんなお祭り?



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 上のような「イースター<復活祭>は どんなお祭り?」というタイトルで始まるこのB5大の案内。下の三分の二は、ぎっしりと、説明がしてあります。

 その最初の部分は、次のようにして始まります。

 イースターはイエス・キリストの復活を祝うキリスト教最古で最大の祝日です。春分のあとの満月に続く日曜日がこの祝日とされています。2003年は4月20日に当たります。なお、復活祭に先立つ40日を四旬節、その最後の1週間を聖週間と言います。

 この間キリスト教会ではキリストの受難を記念する典礼が行われ、復活祭の前夜からキリストの復活を祝う喜びに包まれます。

 これを見たとき、私は、なんと立派な教会案内か……と思ってしまいました。が、この案内の紙が置いてあったのは、とあるショッピングタウンの中に入っている、「千鳥屋」のショーケースの上。

 千鳥屋というのは、福岡県で始まったお菓子の店。ひよこ饅頭と並ぶ、代表的な饅頭を生み、チロリアンという洋風菓子でも有名です。炭坑の労働者のために必要とされた甘い饅頭を供給し、福岡でのお土産としても代表的なものの一つです。

 千鳥屋さん、ごめんなさい。宣伝にもなりますので、許して戴きたいのですが、この案内文を、以下全文紹介させてください。

千鳥屋のイースター(復活祭)は、たまごケーキを家族で食べる日

 すべての生き物が寒い冬ごもりからめざめ、春の暖かい陽射しがさし始める頃、2月のセントバレンタインデーは女性から男性へチョコレートなど、愛の贈り物をする日、そして3月のホワイトデーは男性からお返しの品が女性に贈られる日とされており、いずれも贈り物をして互いの愛の絆を確かめ合う…何とほほえましい習慣でしょう。

 そしてイースターは清々しい春を象徴するお祭り、キリストの復活祭です。つまりバレンタインデーとホワイトデーのしめくくりのお祭りというわけです。

 今年は4月20日がその日にあたります。ヨーロッパでは春になり、すべての生き物がいきいきと目覚めるお祭りとしてクリスマスと並んで特別重要な日とされています。

 この日は卵に思い思いの絵を描き、庭の片隅にそっと隠してそれを友人同士でさがし合うというゲームも行われます。いわば、イースターはキリストの復活を祝いながら、家庭で家族が互いに強い絆を確かめ合うという日。

 千鳥屋はイースターのシンボルでもある卵を使ったいろんな手作りお菓子をご用意しました。卵ケーキ、卵型チョコ、卵がいっぱいのカステーラ、新鮮卵をふんだんに使った千鳥饅頭などなど。卵を原料にした楽しいお菓子でイースターをお祝いしましょう。

 結局、お店の宣伝であり、バレンタインデーとホワイトデーというお菓子の売れ筋から取り残されつつある千鳥屋が売り出す機会として、イースターを利用した……と言えばそれまでなのですが、どうです? なかなか見事な説明ではないでしょうか。

パンダ

 はたして、教会でこれよりうまい説明ができているのかどうか……。「うまい」というのは、聖書に照らし合わせて正しいかどうかという観点からではなくて、人々の心に「イースター」を印象づける、という意味においてです。

 たとえ「正しい」説明をしたとしても、人々が耳を傾けなければ、何にもなりません。福音を伝えたことにはならないでしょう。言葉による伝道が弾圧された時代、先人たちは、生き方、態度で福音を伝えました。社会活動や、慈善事業でそれをした立派な方々も数多くいます。さまざまな人間活動の側面で、聖書の思想、神の救いが伝えられてきました。――ですが、自分たちは真理を知っているぞ、それを教えてやるぞ、という高飛車な姿勢からは、恐らく何も伝わることはないでしょう。たとえば、新約聖書にある、ファリサイ派(パリサイ派)の人々のように。いくら「正しい」ことを口で言っても、人々の心に残るものではないでしょう。

 千鳥屋さんの動機は商売ですが、イースターについて、なんとうまく説明していることかと感心します。そして、反省させられます。私も教会も、自分ではひたすら誠実であるつもりで、自分本位の伝え方をしようと思っていなかったか、と。たぶん、ファリサイ派の人々もまた、善意から律法を守り、指導していたに違いないのです。

パンダ

 千鳥屋は、この年、「イースターエッグ4.20 ペインティングコンテスト」を実施しています。卵の殻に好きなデザインをして、千鳥屋各店へ持ち込むと、期間内そこで展示をして、審査の上「イースター商品」などの賞を出すというのです。

 我が家でも、参加してみようか、と口にしています。卵に小さな穴を開け、中身を抜いて、殻だけにしてから、絵を描くのだそうで、そのやり方も、応募用紙に説明してありました。

 教会で、こんなことができたら楽しいだろうなあ。地域の子どもたちに、気軽に教会に来てもらうことができるんじゃないかなあ。

 たかぱんは、そんなふうに感じました。

パンダ


Takapan
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