6月の第二日曜日は、花の日です。アメリカで19世紀に始まったこの習慣は、ある牧師が、子どもの宗教教育のために、特別な礼拝を行ったことがきっかけで始まった、とされています。
子どもたちが神さまに感謝の気持ちを表すのにふさわしいもの……ということで、花を飾ったことから、「花の日」と呼ばれるようになりました。メソジスト教会で1881年、正式に6月の第二日曜日を「こどもの日」と定めたことから、しだいに知られるようになったそうです。

花を飾ったのには、理由がほかにもあります。
この時期は、さわやかな気候で、たくさんの花が開く季節でもあるからです。梅雨のじめじめしたイメージをもつ日本とは違い、欧米諸国ではしばしば、6月はよい気候の代名詞となっているようです。
ですから、「ジューン・ブライド」という呼び方も、そのさわやかな季節ならではのものであって、日本の季節感とは合いません。5月の花嫁、くらいのほうがよいのかも。

花の日、教会ではこどもたちが主役です。
花を集めて、花束を作り、日頃お世話になっている人や、施設などに、届けます。人々にも、感謝の意を表すためです。
礼拝後、花を調えて、近くの交番や、病院などをまわります。老人施設や福祉施設があれば、そうしたところにも。
いきなり交番を訪ねるのは、失礼かもしれませんが、とくに断られたこともなく、たいていは受け取ってくれますが、初めて行う教会では、一報入れておくのがよいかもしれません。病院の場合、説明なしに届けると、この「花の日」の意味を解しないことがほとんどですので、受付の人の怪訝な顔を見ることもあります。そこで、「花の日」はこういう意味です、と説明をすることで、伝道の一部とすることもできます。
また、施設の場合はとくに、施設の側の都合やふさわしい時間帯などがあるため、きちんとコンタクトをとってから訪ねることをお勧めします。

近くに、重度身体障害の施設があります。そこは十字架を掲げている場所でもあるため、いつも快くこの訪問を受け入れてくださいます。それどころか、施設の中まで通してくださり、実際に中の人と会わせてくださるので、感謝しています。
お世話で大変な家族の方もおおぜいいる中で、花束を贈呈し、賛美を披露します。訪ねるのは、教会学校教師と牧師、それからもちろん、教会学校のこどもたち。
たぶん、普通は見ることもなく、触れることもないような、障害の方々の施設を訪ねて、何かを感じるこどもも多く、夏の奉仕の機会には、喜んでそこに奉仕に行くようになります。
こうしたつながりがあると、「花の日」も形式で終わりませんし、また、たんなる行事とは思えなくなります。
アメリカで始まった習慣に過ぎないものですが、いろいろなチャンスは、活かしていきたいと考えられるようになるのです。

なお、「花の日」で検索すると、いろいろな教会で訪ねた場所の写真やレポートが公開されているサイトに出会うことができます。いかがですか。
