冬は、その寒さと乾燥などの理由で、風邪やインフルエンザが流行します。
風邪から身を守るためには、ウィルスを避けなければなりません。しかし、その方法には無理があります。実際上、ウィルスと接触しないような生活をするとなると、家の中にじっと閉じこもって、誰とも会わないようにしなければならないからです。
ウィルスを怖がっていては活動できません。必要なのは、ウィルスを受けても負けない体力を養い、また少しでもウィルスの影響を受けにくく生活することです。

風邪予防のためには、「うがい」と「手洗い」が有名です。あまりにも基本的なため、子どもがすることだと思われている方がいらっしゃいますが、もちろん大人でも有効です。いえ、油断しているそのような大人こそ、正しく「うがい」と「手洗い」を実行しなければならないのではないでしょうか。
いざやろうとすると面倒に思えるのですが、毎日の習慣のようにすると、さして苦にはなりません。いえ、楽しくさえなります。
事ある毎に「手洗い」をする必要があります。人が触れたものには、たくさんの細菌やウィルスがひしめいているからです。また、誰かのために食事の用意をする人は、とくに念入りに手を洗う必要があります。ほかの人のために何かをするということは、それだけ責任も伴うものです。ていねいに手洗いをしてから、事に当たる必要があるでしょう。
外から帰ったら「うがい」をしましょう。ウィルスは一日のどこで喉に入ってくるか分からないので、それでは遅いという人もいますが、しないよりはずっとよいのです。自分の家に細菌をもちこまないためにも、うがいは必要です。また、うがいをすることで、風邪にかかりにくい状態に自分を調えておくという効果もあるはずです。
こうして「うがい」と「手洗い」を実行していくと、たしかに風邪にかかることが少なくなります。医療のプロである医師や看護師さんたちは、自分が風邪をひくと患者さんたちの命に関わることがありますから、予防のために、せっせと「うがい」と「手洗い」を実行しています。はたしてどうか、と有効を疑問視する声もありますが、まずはこういうところから実行していくことは、怠ってはいけません。

また、バランスのとれた食事をとり、睡眠時間を十分にとること。これはすなわち、体力をつけることとなります。ウィルスが体に入ってくることは避けることができませんから、せめてウィルスが来ても負けないような体を作っておくということです。
偏った食事はいけません。無理に睡眠を削ったような生活はいけません。それどころか、心が苛々しているようなときにも、風邪はひきやすいのだ、という人もいます。ウィルスが狙っているのは、体ばかりでなく、心もであるのかもしれません。
健康な状態でないときに、ウィルスはしめたと思って活動を活発にします。不規則な生活をして体力が弱ったときに入ってきたウィルスは、たちまち体を征服してしまいます。

さて、ここまで読む前に、「うがい」が「聖書」、「手洗い」が「祈り」、そして「生活」が「信仰生活」のことだと考えた方は、どのくらいいらっしゃるでしょう? もちろん「ウィルス」は……。
