アドベント

2001年11月

 クリスマスがもう11月から始まったのか、と思わせるような商店街。不景気の風の中、少しでも商戦をもり立てようとする気持ちがそうさせているのだと思います。

 習俗や商売、はたまた恋人探しの材料にまで使われているクリスマスは、言うまでもなく、イエスがこの地上に形をとったということを覚える、厳粛なキリスト教の記念です。「教会でもクリスマスをするのですか」と言われて悲しくなった牧師もいますが、それくらい、クリスマスは、教会やキリスト教とは関係なく、日本の季節行事に数えられてしまっているのでしょうか。

パンダ

 12月に入ると、アドベントと呼ばれる期間に入ります。待降節とも訳されています。イエスが生まれたのがクリスマス、つまり降誕節で、それを待ち望む時期がアドベントというわけです。

 子どもたちは、アドベント・カレンダーが大好きです。12月1日から、25日まで、一日一つずつ窓を開けると、中に毎日違った絵が現れるのです。けっして次の日の分まで見てはいけません。それで、次は何だろう、とわくわく待つのです。

 このことを題材にした名作に、ゴルデルの『アドベント・カレンダー』があります。聖書のことを知っていないと面白みがないかもしれませんが、お勧めです。ゴルデルとは、あの『ソフィの世界』の作者だといえば、気づかれる方もいらっしゃるでしょう。

 商売とはさすがなもので、その窓の奥に、チョコレートを隠しておく手法も現れました。一つずつ違った形のチョコレートが毎日楽しみになるというのは、すぐれたアイディアでしょう。

パンダ

 アドベントは普通、クリスマス礼拝の日から三週間さかのぼったときから考えます。礼拝は日曜日ですから、クリスマスの礼拝は、25日を越えずに最も近い日曜日を選びます。その日を1番目とすると、2,3,4と戻った日曜日が、第一アドベントです。ただし、11 30日に最も近い聖日を第一とするそうですから、2005年の場合は、例外的に、5まで戻らなければなりません。ですから、25日より前に4つ遡る、というほうが正確なのでしょう。

 この日、講壇には1本のろうそくに火が灯されます。翌週には2本、次は3本、と灯り、いよいよクリスマス礼拝の日には、4本のろうそくが灯るということになります。

 暗い世に灯された火のように、キリストは光であり、信じる人々もその光の子であるという思いから、クリスチャン、つまりキリストに従おうとする者は、この炎を見つめつつ、クリスマスを迎えるのです。

キャンドル

Takapan
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