謎の想定

チア・シード

レビ25:13-17   


ヨベルの年という特殊な年の存在は、土地の相場に影響を与えるでしょう。要するに、ヨベルの年が近くなると、土地を買ってもその短い期間しか使うことができないので、相場が安いということになります。この辺り、ここに書かれてあることだけでは十分に理解できない気がします。特に私のように法律に疎いと、なおさらです。
 
奴隷が解放されるという意味を含んでいるように読めますが、同胞の奴隷は認められないのではないでしょうか。自分の所有の地に帰るというのは、土地を売って奴隷になっていた者が、土地を返却され、奴隷の身分からも解放されるという意味なのでしょうか。土地は神からの恵みであるから、安易に売り渡してはならなかったはずなのに。
 
現代的に言えば、それは貸していたようなものなのかもしれません。しかし、自分の地に帰るというのは、奴隷かそれに等しい状態に置かれていたとすると、筋は通ります。角笛を鳴り響かせ、民全体に告知するのですが、やはりこれはカナンの地に入ってからの規定であり、出エジプト後の荒野での生活には全く関係がないとすべきでしょう。
 
律法によると、同胞の奴隷もいるはずがなく、土地の転売もありえないはずなのに、ここでの律法の規定が存在するということは、実際にはこうしたことがありえたのでしょう。ヨベルの年すら、実際に適用されていたのかどうか、分からないのだそうです。一時的な景気対策ならともかく、慢性的に借金帳消しがなされるなら、経済は混乱したでしょう。
 
他方、律法の適用は厳格になされた、という話も聞きます。やはり実情はどうだか、よく分からないと言わざるをえません。暦や文化についても、私が知るところは殆どありませんので、私には、とやかく言及する資格などないのでした。しかし、あってはならないものが存在する、というのは、実に人間の世界では当たり前のことなのかもしれません。


Takapan
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