ヨシュアへのレスポンス

チア・シード

ヨシュア1:12-18   


モーセ亡き後、イスラエル民族の出エジプトという壮大なイベントは、最後の詰めをヨシュアが担うこととなりました。それは大移動のラストであると共に、約束の地での生活の始まりでもありました。エジプトを出た時にいた者は、ヨシュアとカレブのほかはいなかったと聖書は記しています。ヨシュアはモーセに従い、リーダーたるあり方を学んできました。
 
ヨシュアに投げかけられた主の言葉は、まず、強く雄々しくあれというものでした。最新の邦訳もいまだに「雄々しく」という語を使っています。「勇敢」のような語を選択できなかったかと残念です。どうしてもこの言葉は雄、男性性をイメージさせます。雌雄を決するという語はさすがにないものの、新しい時代には警戒する可能性もあったと思うのですが。
 
この場面でヨシュアは、イスラエルに安息と土地とを与えるこを主が約束したのだと民に告げます。まだエリコにすら入っていない時、民がヨルダン川の東からカナンの地を遠くに見ている段階でのことでした。この地方の北から東マナセ、ガド、そしてルベンと与える土地が決められていきます。この3つの部族に言い渡している場面です。
 
エリコの攻略なしに、つまりヨルダン川を渡ることなしにいまいる土地に安住する仲間たちです。神の約束は、川越えをした土地に限らず、いろいろな形で実現し、人それぞれに渡されていくものであるように見えます。どれが標準でどれが間違っていると早計に決めないがよいでしょう。ヨシュアは三部族に、ヨルダン川を越えないことを認めたのです。
 
但し、川を渡る同胞たちを支援してくれるようにと命じます。仲間の進軍を手伝え、と。この協同感がイスラエルをひとつにしています。彼らはこの命令に応え、すべて言われたようにする、と言います。この点歴史上どうであったか私たちは知る由もありませんが、ヨシュア記はこの最後の部分にさしかかり、この類のレスポンスが幾度か描かれます。
 
ヨシュアは死を前にして、部族全体に向けても厳しい問いかけをします。主に従うことはできないぞ、と迫りますが、民は主に仕えると強く返答します。ヨシュア記の初めにも終わりにも、こうしたやりとりがありました。この呼応が見事です。モーセからヨシュアへとバトンが渡され、イスラエルが一つになりました。強く勇敢であることがヨシュアの課題でした。


Takapan
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