勇気をください

チア・シード

士師記7:9-15   


バアルを憎むとはいえ、偶像バアルの祭壇を一夜のうちに破壊し、アシェラ像を切り倒すなど、極端な行動に出たギデオンが、旧約聖書では英雄のように描かれているように見えます。しかし私たちの見習うべき行動ではない、といまは言われます。ギデオン自身、神に立てられたということに消極的で、神を試すような真似までしています。
 
ミデヤン人と戦うために三万二千人を集めましたが、多すぎると主が言うため、ついに三百人にまで兵士を減らされました。さあ、そこでこの場面です。主がギデオンに告げます。敵陣に入れば、もうその敵を主はギデオンに渡したのだ、と。ただ「もし攻め下るのが恐ろしいならば」と条件を少し緩めます。羊の毛の件ではその弱気を示していました。
 
弱気なのに人々の偶像を暴力的に壊したのです。恐ろしいなら、ギデオンと従者プラの二人で探るのだ、そうすれば勇気を得る。そう主は言いました。ミデヤン人に加え、アマレク人、その他の敵がばったの如くに多く数え切れないほど取り巻いています。ギデオンはむしろ勇気を得たからこそ、探った、と言ったほうがいいかもしれません。
 
ギデオンが相手陣の人間の話をこっそり聞きます。イスラエルが攻めてくる夢を見たのだ、と。イスラエル人はいまギデオンを頭としており、ここへ攻めてくる。我々の陣営を引っくり返して破壊することを、その夢が表しているに違いない、と怯えています。さあ、これを耳にして、ギデオンはどうしたでしょう。「手に力を得て」攻めることになります。
 
なにもミデヤン人が、皆その夢の話を知っていたわけではないはずです。でも、それは象徴でした。神が夢を見せるということを信じる文化での出来事です。それでも、弱気なところを持ち合わせながらも、主の言葉に従ったギデオンのように、私たちもまた、ささやかでもよいですから、勇気の欠片をもらいたいものだと思います。


Takapan
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