ノアと契約
チア・シード
創世記6:14-22
暴虐に満ちたこの世界を、神は滅ぼすと宣言します。「彼らを」滅ぼすと言う一方で、「あなたは」と向きを換え、「箱舟を造りなさい」と言いました。大きな事案の始まりです。しかしそれは、ノア一人への小さな言葉から始まっています。箱舟はゴフェルの木で造れと言います。実はこれが何なのか、他に用例がなく、よく分かっていないようです。
様々な説があり、訳があるそうです。角材一般を指すのかもしれません。杉の種類だと解した人もいます。タールなどの素材を意味しているかもしれない、との説もあるのだとか。仕方がないので、最近は「ゴフェル」という原語をそのまま音で示しているようです。この箱舟の製造方法についてはやけに詳しく、細かいのが特徴的です。
箱舟の内は三層構造で、長いところで135mほど。体積は、単純計算で40000立方メートルにも及びます。「私は今こそ、地上に大洪水をもたらす」と言って、神は滅亡の方法を明確に示します。そうして「地にあるすべてのものは息絶える」とします。それは「地にあるすべてのもの」です。海に棲むものは洪水では死なないことでしょう。
この「地上」というのは「陸上」のことであると思われますが、天と地とを対比するときには、海も陸も「地」に属しますから、少々ややこしくなります。建造物としての箱舟はよく説明されましたが、問題は「契約を立てる」と神が言ったことです。ノアとの契約は、この後虹によって確定されます。このとき、家族への配慮がなされています。
ノアは「息子たち、妻、息子の妻たち」と共に、箱舟に入るよう促されます。「あなたと共に生きるため」にまた、2匹ずつの生き物をもまた、乗せるように命じられました。オスとメスとの一対ずつが基本でありますが、当然後の繁殖を保証するためです。神は動物たちにも目をかけていることの、ひとつの証しでありましょうか。
それから食糧をも十分載せることが必要になります。素朴に、肉食獣の食糧はどうなるのか、気になります。メカニズムを問う場面でないことは分かっています。一種の寓話に、細かな説明は不要でしょう。「ノアはすべて神が命じられたとおりに」実行した、それでよいのです。契約に従った、それだけで私たちの教訓としては十分です。