第二の十戒への加筆

チア・シード

申命記5:16   


申命記の十戒の一つを開きます。「あなたの父母を敬え。あなたの神、主が命じられたとおりに。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生き、幸いを得る。」というのですが、出エジプト記20:12との比較ができます。少し長くなっているのです。まず、「あなたの神、主が命じられたとおりに」が付け加えられています。
 
それから、最後に「幸いを得る」の部分も増えています。中央部は変わりません。父と母を敬えというのは、箴言などにもあるように、イスラエルの道徳の基本です。主が与えた土地で長生きができるという報いは、最大級のものと認められます。来世や復活の概念は、旧約聖書からは殆ど窺えません。探そうと努めた学者もいましたが、どうにも難しい。
 
長く生きる。それを永遠の意味だ、と言ってしまうのもなんだかおかしい。合理的説明をするのは期待できませんし、またする必要もないかと思います。ただ、ここには「幸せになることができる」がプラスされています。長生きすることが、即幸せなのかどうかは分かりません。長生きしたばかりに苦しむ人生もあり、生きたくない思いもありえます。
 
申命記は幾度か幸せを告げますが、何か重大な分かれ道の向こうにあるものを示しているようにも思えます。祝福と呪いというように、2つに1つ、大きな区別の一方こそが幸せだというのです。詩編もまず、「幸いなことよ」との祝福から始まりました。旧約聖書ではこれが最高の祝福だったのです。長く生きることは最高の祝福であったのです。
 
「あなたの神、主が命じられたとおりに」は、申命記がモーセの時代ではなく捕囚の頃に改めて書かれたことを考えると、これまですでに主が命じていたものがあったことを連想させます。さあ、主が以前から告げていたことではないか。主は、幸せになることを私に望んでいたではないか。この呼びかけに、応えたいものだと思います。


Takapan
たかぱんワイドのトップページにもどります