優秀な人材

チア・シード

ダニエル1:17-21   


野菜により肌がつやつやしたというエピソードは、一つの入口にすぎません。この4人が知識と知恵に満ちていたというところにこそ、私たちは注目しなくてはならないでしょう。それはもちろん、神から与えられたものです。特にダニエルのみに与えられた知恵は、幻と夢を解き明かすことでした。これは次の章で詳しく語られます。
 
4人は一定の学習期間を経て、王のために仕えることとなりました。エジプトにもいましたが、バビロニア帝国にも魔術師がいたとのことです。なんだか怪しげですが、今でいう科学者のことではないでしょうか。科学理論から起こすことは不思議で、一般の人々には魔術だと思われたに違いありません。
 
さらに祈祷師もリストアップされ、やはり知恵があると見られていることが分かります。こちらは差詰め宗教家というところでしょうか。文字が読めることだけでも当時はエリートの文化人です。伝統文化を知り保つだけの力量をもち、人文的な知恵をもたらす方面で活躍していたことでしょう。こうして文理双方の知識人たちが比較されます。
 
これら4人のイスラエル人は、こうした大帝国の知識人たちよりも、十倍優れていたなどと称されています。レトリックに過ぎないにしても、4人の有能さは際立っていたことが窺えます。日本にも海外からの留学生がたくさんいみすが、外国籍の人には本当に優秀な人物がたくさんいます。日本語の壁を乗り換えただけでもその能力の高さが推測されます。
 
ダニエルたちは素質もあったのでしょうが、良い教育の機会が与えられて、ユダヤ人として才覚を発揮していたことでしょう。その後の歴史の中でも、ユダヤ人の中には優れた頭脳の持ち主が多く知られ、ノーベル賞受賞者の20%がユダヤ人ではないかと言われています。世界人口の0.2%のユダヤ人が、なんと百倍の割合で大きな業績を遺しているのです。
 
ダニエル章はまだ1章が始まったばかりですが、準備は調いました。ここから物語が始まります。このダニエルはキュロス王の初めの年まで仕えたという締め括りの一文が気になります。ベル神の祭司との闘いを描く旧約聖書続編はキュロス王の許だったので、この一年だけが重なります。その後ダニエルはどうなったのでしょう。天寿を全うしたのでしょうか。


Takapan
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