最大の改革

チア・シード

列王記下22:8-13   


ヨシヤ王は幼くして王位に就きましたが、その治世に、イスラエルにとり重大なことが起こります。律法の原典の再発見です。すでに王は26歳になっていましたが、書記官シャファンが、事の中心です。神殿の修理に携わっていたということは、すでに信仰が復興していたということになるでしょうか。それとも当局の策略でしょうか。
 
大祭司ヒルキヤが、それを神殿の中で発見します。手渡された律法の巻物をシャファンは王の前で報告します。王はその言葉を聞くと、衣を裂きます。大いに心を動かされた証拠の仕草です。すべては王の判断で事が進むことになりますし、この律法を以て主に立ち帰り、国は営まれるべきだという命令が、ユダ全体に行き渡ります。
 
まことに信仰により立ち直ったユダの国の、美しい話です。そしてこの後改革が断行され、ユダ王国は変貌を遂げます。キリスト者としては拍手したいところでしょうが、さて、実情はどうだったでしょうか。偶然に見つかったというのは、本当のことなのでしょうか。この場面、実に多くの有力者名前が、不必要なほどに並んでいます。
 
ヒルキヤとシャファンが中心にいますが、アヒカム、アクボル、アサヤを、女預言者フルダの許へ遣わしてこの一件について神の名の権威をもたせる努力をしているようにも見えますが、やはり記事がやけに詳しい。フルダについては、丁寧に家系や住む所まで記録されています。そして、信仰による立て直しもその後説明されることになります。
 
この改革の根拠というものが、何人もの中枢部にあり、綿密に実行されたことが想像されます。その十分な基礎づけがここに提示されているような気がしてなりません。結果的に、このヨシヤ王の時代の改革は、イスラエル民族の運命を大きく変えることとなり、その後の歴史をある意味で決定づけることにもなりました。
 
ということは、極端な話、イエス・キリストの出現を可能にした、とも言えるわけです。キリストはイスラエル民族だけでなく、全人類の救いを備えました。だからここでの改革は、全人類の救いを導いたことになります。ユダヤ教や旧約聖書の成立にも拘わるこの改革については、感謝せざるをえません。歴史の記録がいかに恣意的であったとしても。


Takapan
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