謎の行動の数々

チア・シード

列王記上18:41-46   


一つひとつの言葉、行動の意味を研究すれば、それなりに成果があることでしょう。しかし今は、それを学者の皆さんにお委ねします。エリヤはバアルの預言者たちとのカルメル山での死闘に勝ちました。キションの谷で殺したのが450人のバアルの預言者のみなのか、400人のアシェラの預言者をも含むのかすら曖昧ですが、アハブ王の目の前でこれを行いました。
 
この際その残酷さについては触れないでおきましょう。これは王の命令なしにはできないようなことですが、そのかけ声は確かにエリヤでした。その後、謎の多い場面が続きます。旱魃の中、遙か遠くの雨の音がエリヤには聞こえています。アハブにそのため飲食を勧め、エリヤは山頂で奇妙な恰好をします。地にうずくまり、顔を膝の間にうずめたというのです。
 
従者には、上って海を見よと言いますが、何も見えないという答えに、七度命じて、ついに掌ほどの雲が彼方に見えるようになります。雲は西から、まもなくイスラエルにやってきます。激しい雨に閉じ込められぬようにとアハブのところに上り、戦車で逃げろと伝えますが、エリヤ自身は裾をからげその戦車と馬のさらに先を走って行った、と結ばれています。
 
なんとも不思議な光景です。この背景や謎の解き明かしにも興味がないわけではありませんが、どうしても今気になることがあります。エリヤはアハブに上って行けと言いましたが、エリヤはカルメル山頂で祈るようなことをして、従者にまた上れと言っています。頂上からどこに上るのでしょう。ようやく雲が見えたら、アハブのところに上れとまた言います。
 
王のいる所だからそこへ行くことを上ると言うのだ、と説明しても、初めアハズに上れと言っているところが解せません。カルメル山自体、尖った山というよりは上層部が平らな丘のように見える場所であり、石器時代の遺跡すらあるといいますから、古くから人が住みつき、生活しやすかったのでしょうか。上れとは神に近づけということのようにも考えられます。
 
ついに雨が来ます。アハブ王は戦車でイズレエル平原へ駆け降ります。エリヤは馬よりも先を走る、なんとも凄い光景で、三年ぶりでしょうか、激しい雨となりました。三年半なら地上の不完全な時の過程をも示します。神が火を以てエリヤに応えた後、大水が来て、エリヤは世の王の先を走ります。神の人は、大水に閉じこめられることもないのです。


Takapan
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