コイノニアへの招待

チア・シード

ヨハネ一1:1-4   


ヨハネによる福音書に関わる共同体からのメッセージ。福音書の解説のような意味合いかもしれないし、説教であったかもしれません。キリストに反する存在の現れに危機を抱き、それとの区別を明確にする目的があったと思われます。独特の神学ですが、当人たちは独特などとは思いますまい。一番全うで標準的な福音だと考えていたことでしょう。
 
その冒頭で言います。私たちはキリストを見たではないか、触れたではないか。トマスが復活のキリストの体に触れねば信じないと言ったエピソードを受け継いでいるのでしょうか。キリストは命の言。そこに永遠の命があると知りました。いまやその証言をなす者とされ、伝えているこのメッセージがその証しです。
 
これが伝えられた皆さんと私たちとは、一つの共同体、教会としてつながってゆくのです。交わりという訳は原語ではコイノニア。訳を知る人にはこのほうが馴染むかもしれません。キリストを中心にして、キリストにより結ばれ一つとされた共同体を形成するために、このメッセージを送っています。目的はまさにそこです。
 
コイノニアは皆さんに喜びをもたらします。あのキリストに出会った者のみが分かち合えるものでつながる仲間です。福音書ではヨハネは、スーパースターとしてのキリストを描きましたが、それを読み、あるいは話を聞いて、そのイエスと出会う経験をした者であってほしいわけです。その体験を共有することで、コイノニアをシェアすることができます。
 
メンバーシップの誘いであるか確認となるメッセージです。共通体験を促す宣言となっています。このグループに、私たちも招かれています。但し、いまの私たちへは、これと共に他の福音書やパウロの手紙その他も一緒に届いています。招待状が各部門から寄せられています。それらの間には、若干の温度差やずれのようなものが存することは事実です。
 
どうかすると、私たちは情報過多により、すべてのレセプターが機能するというわけにはゆかないかもしれません。心してかかりましょう。一つの表現に拘泥してそれを絶対視するなら、却って見失うものがあるかもしれません。聖書は様々な角度から光を当てます。その都度喜んで、招待状を受け続けていたいものです。


Takapan
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